曲数が増えてくると、同じテーマを避けても歌詞の言い回しが似てくることがあります。自分では毎回別の曲を書いているつもりでも、「またこの言い方を使っている」と後から気づくことがあります。
まんまるAI音楽研究所では、最近はテーマの重複だけでなく、言葉・構文・サビの形そのものも確認するようにしています。
曲ごとのテーマが違っても、言い回しは似る
前向きな曲を続けて作ると、「進む」「走る」「抱える」「忘れない」といった言葉に寄りやすくなります。ダーク系なら「消える」「闇」「祈り」、透明感系なら「光」「青」「空」など、ジャンルごとの便利な語彙もあります。
これらを全部禁止すると歌詞が不自然になるので、単語単体よりも同じ言葉の組み合わせや同じ結論が続いていないかを見るようにしています。
よく使ったフレーズは一度リストから外す
何度も使っている表現に気づいたら、しばらく意識的に避けます。禁止語というより「今は休ませる言葉」です。
たとえば、強さや前進を伝えるときに毎回「抱えたまま走る」と書くのではなく、その曲のモチーフから別の動詞を探します。花なら咲く・散る、機械なら書き換える・同期する、和の怪異なら鈴・札・火・門など、モチーフが変わると使える動詞も変わります。
「〜ではなく」の対比を使いすぎない
歌詞を説明しやすくするために、「AではなくB」という形は便利です。ただ、続くと文章的に聞こえやすく、歌としての流れも似てきます。
最近は対比を一文で説明するより、AとBを別々の行に置いたり、情景そのもので変化を見せたりする方向へ変えています。
サビで毎回タイトルを直接歌わせない
タイトルをサビに置くと覚えやすい一方、すべての曲で同じことをすると構成が似てきます。
タイトルは世界観を示す看板として使い、サビではタイトルの意味だけを歌う方法もあります。曲によって「タイトルを直接歌う」「一度だけ出す」「歌詞には出さない」を変えると、同じジャンルでも印象が変わります。
ラスサビは一番サビのコピーにしない
一番サビをそのまま繰り返すと作りやすいですが、物語や感情の変化が止まりやすくなります。
最後だけ視点を変える、主語を変える、一行だけ結論を書き換えるなど、小さな変化でも曲の終着点が作れます。すべてを変更する必要はなく、同じメロディの上で意味が少し先へ進むことを意識しています。
英語は量ではなく役割で決める
英語フレーズも、毎回同じ位置に入れると癖になります。イントロの掛け声、サビ頭、ブリッジなどに固定せず、曲によって量を変えています。
英語が曲の速度を止める場合は削り、日本語だけでは出しにくい響きが必要なときだけ残します。
一人称やボーカルから言葉を変える
同じテーマでも、男性ボーカルと女性ボーカル、低い声と明るい声では似合う言葉が変わります。和ロックの男性曲では「ぼく」に寄せるなど、声のキャラクターも語彙選びの基準にしています。
誰が歌っているのかを先に決めると、便利な決まり文句から離れやすくなります。
最後は「この曲でしか出ない名詞」があるかを見る
抽象語だけで歌詞を作ると、別の曲へそのまま移せる文章になりやすくなります。そこで完成前に、その曲だけの名詞や景色が入っているかを確認します。
木犀、銀弾、形代、糸、視差、黒猫。こうした固有のモチーフがあると、同じ「前へ進む」という結論でも言葉の手触りが変わります。
似た表現をゼロにすることが目的ではない
長く作っていれば、同じ単語が再登場すること自体は避けられません。重要なのは、毎回同じ順番・同じ比喩・同じ結論で歌わないことだと考えています。
テーマ、モチーフ、視点、構文のどれかを変える。それだけでも、歌詞の「またこの感じ」をかなり減らせます。


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