AIを使えば、簡単に曲が作れる。
Sunoを初めて触った頃は、僕もそんなイメージを持っていました。
実際、曲を「作る」だけならかなり簡単です。
テーマを入力して、スタイルを書いて、歌詞を用意して生成する。数分後には、それらしい1曲が完成します。
でも、AI音楽制作を続けて150曲以上になった頃から、別の難しさが見えてきました。
難しいのは、曲を作ることではなく、「自分の曲にすること」でした。
最初は「生成できた!」だけで楽しかった
Sunoを始めた頃は、毎回違う音楽が出てくるだけでも面白く感じました。
ロック、和風、サイバー、透明感のある曲。同じ歌詞でも、生成するたびにボーカルやメロディが変わります。
「こんな曲まで作れるのか」
そんな発見の連続でした。
ところが、曲数が増えてくると少しずつ問題が出てきます。
一番大きな壁は「前の曲と似る」
何十曲も作っていると、
「このテーマ、前にも使った気がする」
「また同じような歌詞になっている」
「イントロは違うけど、サビの雰囲気が似ている」
ということが増えてきました。
最近は曲を作る前に、次のどこか一つには以前と違う要素を入れるようにしています。
- テーマ
- モチーフ
- ジャンル
- 楽器
- ボーカル
- 歌詞表現
- サムネイル
全部を新しくする必要はありません。
むしろ「J-ROCKだけどピアノを中心にする」「和ロックだけど女性ボーカルにする」といった、一つの変化だけでも曲の印象はかなり変わります。
この部分は、別記事の「AI曲をたくさん作って分かった、過去曲と似せないための考え方」でも、実際に使っている考え方をもう少し詳しくまとめています。
プロンプトを細かくすれば正解、でもなかった
制作を始めた頃は、「もっと細かく書けば理想の曲になるのでは?」と思っていました。
そこで楽器、展開、歌い方、テンポ、雰囲気など、いろいろな指定を追加しました。
ところが、指示を増やせば必ず良くなるわけではありませんでした。
場合によっては、「ここを強くしてほしい」という一番重要な指示が、他の大量の指定に埋もれてしまいます。
今は、その曲で絶対に譲れないポイントを先に決めるようにしています。
たとえば、「イントロから一気に引き込む」「サビでボーカルを前に出す」「長い間奏を作らない」などです。
曲ごとに優先順位を変えています。
「サビを強くして」は意外と難しい
制作を続けていて特に難しいと感じるのがサビです。
こちらでは「ここが一番盛り上がってほしい」と思っていても、生成された曲ではAメロやイントロの方が印象に残ることがあります。
特に最近は、ボーカルが楽器の中に入り込んでしまい、「曲はいいのに歌が弱い」という生成になることもありました。
そこで、prominent lead vocals、vocals upfront in the mix、clear vocal presenceなど、ボーカルを前に出す指示も試しています。
歌詞側にもボーカルを意識させるタグを入れるなど、少しずつ調整しています。
ただし、これも毎回同じ結果になるわけではありません。
AI音楽制作では、この「確実ではない」という部分も面白いところです。
サビについては「Sunoでサビをもっと印象的にするために意識していること」、ボーカルについては「Suno V6でボーカルが埋もれるときに試したこと」で、現在試している調整を個別にまとめています。
失敗した生成も、かなり重要
以前は「失敗した曲=ボツ」と考えていました。
今は少し違います。
長すぎるイントロ。突然始まる謎のギターソロ。なかなか歌い始めないボーカル。妙におとなしいラスサビ。曲が終わると思ったら、さらに2分続く演奏。
こういう失敗を見ると、「次は何を書かない方がいいか」「どの指示を強くすればいいか」が分かります。
成功した生成より、失敗した生成から学ぶこともかなりあります。
このブログでは、完成した曲だけではなく、そういった失敗もできるだけ残していこうと思っています。
実際によく起きた失敗は、「Sunoで150曲以上作って実際に多かった失敗7選」として別記事にまとめました。
AIに全部任せているわけではない
AI音楽というと、「ボタンを押したら完成する」というイメージを持たれることがあります。
実際には、僕の場合かなりの部分をAIと相談しながら決めています。
最初にテーマを考え、似た曲がないか確認し、歌詞を修正し、Suno用に読み方を調整し、生成結果を聴き、気になる部分を修正し、曲に合うサムネイルを考え、YouTubeに載せる説明文まで作る。
AIが作るというより、AIと何度も往復しながら、一つの作品に近づけていく感覚の方が近いです。
実際の制作フローは、「AIに丸投げしない。まんまるAI音楽研究所で1曲が完成するまで」で、テーマ決めから投稿まで順番にまとめています。
150曲作っても、まだ分からないことだらけ
ここまでかなりの数を作ってきましたが、「この書き方なら絶対こうなる」というものは、まだほとんどありません。
同じスタイルでも全く違う曲ができます。昨日うまくいった指示が、今日は効かないこともあります。
だからこそ、このブログを「正しいSunoの使い方を教える場所」ではなく、AI音楽を実際に試し続ける研究記録として残していきたいと思っています。
成功した設定だけではなく、失敗した設定。迷ったテーマ。没になった歌詞。生成して初めて気付いた問題。
そういう部分も含めて残していきます。
完成した曲だけを見ると数分ですが、その裏では意外といろいろな試行錯誤があります。
これから「まんまるAI音楽研究所」では、その裏側も少しずつ紹介していく予定です。
実際の1曲が形になるまでの流れは、たとえば「螺旋律のアルペジオ 制作日記」のような制作日記でも記録しています。


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