『ツクヨミ』は、月明りに残る声や記憶、願いを読みながら、自分の未来だけは読めないまま明日へ進んでいく姿を描いた幻想和ロックです。
月夜の透明感と神域のような空気を残しつつ、疾走感のある和ロックへまとめています。女性ボーカルを軸に、静けさと勢いが同居する音像を狙いました。
白い息が 夜をなぞる
水面に揺れる 月の文字
誰も知らない 声のあと
静かな光が 降りてくる
鳥居の向こう 風が鳴る
名もない願い 枝に残る
指で触れれば 消えそうな
記憶だけが 空を見ていた
遠い昨日を 月は映す
伏せた言葉も 傷跡も
一つずつなら 読めるのに
この先だけが 白く霞む
笛の余韻が 夜を裂いて
帰れない時が また一つ
影の向こうで 誰かが呼ぶ
まだ知らない朝へ
月を読んでも
明日はまだ白いまま
零れた願いだけが
夜を渡って行く
消えない声を
この胸に灯しながら
答えのない空へ
足跡を重ねて行く
月影 揺れて
水面に散って
それでも夜は
まだ終わらない
袖を掠めた 秋の風
古い記憶を 連れてくる
忘れたはずの 名前さえ
月明りでは 鮮やかだった
誰かの涙 誰かの夢
静かな夜に 積もって行く
数え切れない その全てを
月は黙って 照らしている
白い光を 背に受けて
迷いの影が 長く伸びる
振り向くたび 遠ざかる
昨日を越えて行く
月を読んでも
心までは読めなくて
届かない声ばかり
夜に残って行く
それでも今は
見えない道を選びたい
白紙のままの明日へ
この足で踏み出して行く
月は満ちて
月は欠けて
同じ夜など 一つもない
失くしたものも
拾ったものも
光の中で 姿を変える
読めない未来を
見上げたまま
まだ知らない空へ
風が吹き抜ける
月を読んでも
明日はまだ白いまま
それでいいと今なら
夜に言える気がした
消えない声を
この胸に連れて行く
誰かが残した光
次の夜へ渡して行く
月が沈んでも
全てが消えるわけじゃない
まだ見えない朝まで
この足で渡って行く
月を読んでも
最後までは読めなくて
だから今日の続きを
この手で選んで行く
水面に揺れた
最後の光
読めない明日を
静かに照らした
この曲のイメージ
月は多くのものを照らし、過去の声や願いまで読み取れるように見える。それでも、自分がこれから進む先だけは白いまま残っている。その余白を抱えたまま進むことを、この曲では肯定的に描いています。



