『秀麗の峰』は、風や雪に削られてきた山の姿に、静かな気高さと美しさを重ねた和ロックです。
刀や戦いを前面に出さず、峰そのものを主役にして、遠景の美しさと近づいて初めて見える厳しさを描いています。
LYRICS
歌詞
白む空を切る 一筋の稜線
遠目にはただ 静かな絵のよう
けれどその肌は 風に削られ
いくつもの冬を 黙って越えた
麓の町では 誰もが言った
あの峰は美しい 近づくほどに
踏み入れた道は 石に乱され
息は細くなり 雲が袖を打つ
見上げた形だけでは
知らない傷がある
それでも崩れぬ線を
朝日だけがなぞる
飾らず 誇らず
高みに名を求めず
ただそこに在ることが
なぜこんなにも 眩しい
秀麗の峰よ
雪を頂き なお青く
荒れた岩肌さえ
光を返している
誰かに見せるためじゃない
風に褒められるためでもない
削られたその姿こそ
今日も空を支えてる
谷を渡る音 鳥がひとつ消え
足跡はやがて 霧に飲まれてく
頂だけなら 写真にも残る
けれどこの寒さは 歩いた者のもの
転びかけた手に
ざらつく岩の温度
美しさとは遠くから
眺める言葉じゃなかった
欠けてもいい
裂けてもいい
形を守るためではなく
長い季節を受け止めて
残った線が 山になる
秀麗の峰よ
雲をまとって なお高く
晴れの日ばかりでは
その姿は生まれない
静けさの奥にある
幾千の風を抱いたまま
飾らぬその稜線が
夜明けをまっすぐ分けてゆく
振り返れば 遠い空
名も告げず 峰は立つ



